ここでは、「知覚カウンセリング」という技術について説明したいと思います。
1、言葉の定義
「知覚カウンセリング」という研究は株式会社えいごやによって提案された概念であり、現場の先生が学ぶことによってより良い授業を製作・提供するための技術です。また、株式会社えいごやが認定した知覚カウンセリング技術を持った先生を「知覚カウンセラー」と呼称します。
これは臨床カウンセリングや心理カウンセリングのように人間の心理を分析する類のものではなく、あくまで生徒と教科書の間に存在している「知覚」をカウンセリング(傾聴)と独自のアセスメント(判定テスト)を用いて分析していく形を取っています。
「知覚カウンセリング」は株式会社えいごやのメンバーを中心に、東京大学の青山和佳准教授をアドバイザーとして迎えご指導いただくとともに、様々な外部機関からの評価の積み上げを前提とし、開発を行っています。
2、背景
現代はe-learningという、スマートフォンやPCを効果的に利用した、メディア先行の教育コンテンツが多く製作され、学校の授業や予備校の授業を映像が代行するように推移しています。これは多くの学習機会が与えられる、という良い点の反面、生徒個人に対するケアが少なくなってしまうため「学習達成度が生徒個人の言語能力に依存する」という大きな問題性があると、えいごやは考えています。知覚カウンセリングはこの社会状況に対してのえいごやなりの解答であり、生徒個人と与えられるメディアの間に存在する「知覚の問題」を明確化し、教師間で情報や解決方法をシェアするためのプラットフォームを構築したものです。
3、知覚カウンセリングのプロセス
知覚カウンセリングは、5つの視点に人間の知覚プロセスを分解し、解析していきます。
1、情報の取り入れ:見間違いをせず、正確に情報を取り入れられている。
2、再帰化:インプットした情報が頭の中で再生できる状態になっている。
3、意味化:情報を自分の中で言い換え、意味を付加することができている。
4、関連付け:インプットした情報を他の既知知識と関連づけて理解できている。
5、行動計画:インプットに適した行動が選択できている。
以上の5つのプロセスが、人間が何かの情報を外部から取り入れ、それを解析し、どのような行動を起こすか、というところまでの段階となります。
この知覚のプロセスがうまく機能していない部分があると、勉強したはずなのに覚えていなかったり、何度練習しても能力の向上が見られなかったりという学力不振につながっていきます。
難しいところは、これが一人の生徒の中で、見えている所と見えていない所がランダムに存在している、という状況です。また、得意な教科では習慣化されていても、苦手な教科ではほとんど見えていない、というケースもあります。
えいごやの知覚カウンセリングはこの生徒の知覚に潜む支援すべきポイントを明確にし、無理なく、さらに高い効果が期待できる勉強法を実現しています。